BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

Name Entry

ゲーセンとの馴れ初めのお話。

限界集落とまではいかずとも、町は発展する前に衰退を始めてるような自治体で育った私には、映画館やゲームセンター、ショッピングモールみたいな施設に触れる事はほとんどなく、日々の楽しみと言えば大きめの石をひっくり返してダンゴムシをつつく幼少期だった。

それからほどなくして自転車を手に入れては町の中を駆け巡り、おもちゃ屋レンタルビデオ屋のゲームコーナーに足を踏み入れる事になる。当時置いてあったゲームとしては、ストリートファイターKOFがメインだけど、マジカルドロップ2や雷電ファイターズ2とか格ゲー以外を嗜んでいた。

そしてハイスコアを出せばName Entryに名前を残す事ができた。
名前を残せる事。そこに自分が居た事。その実力の証明を残せることが刺激的だった。

 

そして高校生になる頃には、県庁所在地のある街まで出る事になるし、自分よりさらに上手い人が居れば切磋琢磨するような素敵な日々を送っていた。小さな町の中で一番上手かった人は大きな街の中でさらに成長するみたいな感じだ。

しかし無限に成長するかと言えばそんなことはなくて、あるレベルまでは一気に伸びるけど、そこから先の伸び幅は本当に小さく、周りの強者もそこに葛藤しながらそれでも高め合っていくような楽しい日々は続いたが、永遠には続かなかった。

 

ある者はその成長の遅さに挫折しゲームセンターから離れていき、
ある者はバイトが休めず仕方なくゲームセンターから離れていき、
ある者は就職を境に街を出る事でゲームセンターから離れていき、
ある者は他の楽しい趣味を見つけゲームセンターから離れていき、
ある者は家庭の事情で離れざる得なくしてゲームセンターから離れていった。

私もまたその一人であり、就職を境に街から出ていってしまった。

それでも出ていった先でやっぱりゲームはしていて、新たな刺激を受けては、名前を残したりして楽しんでいた。しかし街に出た頃程の成長はもう残ってなくて、挫折しそうな状態がずっと続いていた。

それでもゲーセン通いはやめられなかった。

成長が遅く挫折したとしてもそのゲームが好きだから、なんとしても続けたかった。

ここでいう成長とは単純にうまくなることであり、レースゲーならタイムをコンマ1秒でも削ろうとするし、シューティングなら、より残機を残してクリアする事だし、音ゲーならより完璧な演奏をする事だ。

そして成長はほどほどに、名前を残していくというやり方にシフトしていったのが、この数年のゲーセンとの付き合い方になった。

ランキングシステムがあって、頂点は無理でも名前を残せるだけの実力がある事がわかったら、もう味を占めたようなもので、狂ったように店内ランキングや公式ランキングに挑むようになった。

最近頑張ったやつだと98位に入ったやつがある。
https://p.eagate.573.jp/game/2dx/27/ranking/weekly.html?class_id=2

 

一番にならなくてもいいし、リザルトの写真でスマートフォンの中身を埋めなくてもいいし、Twitterにアップロードする必要もない。そこに自分の名前が存在し、その時の実力を以てその順位にいる証明があれば、それでいい。

中二病っぽく言えば存在証明と書いてレゾンデートルと読む。

 

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県庁所在地のある街でさえ、私が降り立つ頃には成熟を終え切っていたんだなというのを最近気づいた。こんな発展した街知らないぞ?


大分(その1)