昔から端と言うものが好きだ。
学校生活では給食に並ぶとき、一番乗りか一番最後かのどちらかで
座る席もくじ引きながらに、端が多かった。
窓際の一番後ろも、一番前も経験して
そこから見える世界は、妄想の中の主人公に良いインスピレーションを与えてくれた
初めて就職した時も、学年の中で一番遠くの職場に行った。
電車も端を取り、発表ではなぜか1番か最後だったりしたし
特に望んでいるわけでもなく、端というものに縁が深い
2011年8月11日
・・・気づけばバイクで最北端を目指していた。
単車に乗ろうと思ったきっかけは、単にかっこよくて
旅ができればという、安直な理由だった。
それから10年して色々な旅というものをして振り返ると
知らないうちに、岬巡りをするようになっていた。
端っこを目指すツアーをしていたのだ。
だけど極地なだけあって、アクセスはよくないし
人は少ないし宿はないし、基本的に快適な事は少ない。
そしてそのバイクは手のひらから零れ落ちてしまった。
なぜなら行ける所の日本の端を全部行ってしまったから。
仕事に関しても5年くらい前から、お金と言うものに執着して
自分ならどれだけ稼ぐことができるんだろうってのを試したくて転職した。
それまでの会社は、自分の仕事のほぼ全てをスクリプトや
プログラムに任せていて、8時間勤務中6時間くらいやる事がなく
ずっと、ゆうゆのニコ生を見ていた。
クリミナルガールズをした日、洞窟物語をした日とか今でも覚えているし
それ以外にも普通についったーを見て、成人コミックの新作情報拾ったりして
開発環境では、マウス連射を記録したマクロでクッキークリッカーの
クッキーを連射したまま家に帰っていた。
そんな様子を見られていれば、当然給料は上がらない。
やりたい事に対して、お金がずっと足りなかった。
それは転職の動機としては十分で、そして転職したら地獄のような思いをした。
年収は100万くらい増えた。
今、振り返ればクソみたいな日々だったけど、まぁ悪くなかったなと脳は勝手に美化してるけど、美化しないと過去の否定みたいなものだから美化されて当然か。
あれは間違いなくクソな日々で間違いない。
それから今の会社に入って、年収の計算をしたら180万くらい増えそうだ。
少なくとも給与明細にある金額は自己ベストという最先端へと到達した。
思い出したが、岬巡りのように端というのはあまり快適でない。
学校や電車の席の端とは違うのだ。
岬へのアクセスが悪いように、出来高の良い支給額を得る場所は単純に仕事量が多く、また複雑さも十二分で、消耗してしまう。
リモートワークとはいえ一日の中でやってる事は、仕事と食事と睡眠とVRChat時々映画だけだ。そこに何かを始める時間はない。
だからこそ、それだけお金出してでも、残ってほしいのだろうけど単純に私を構成する部品は、軋み音を上げている。
やりたい事に対してお金が足りなくて転職を続けたら
お金が入るようになったけどやりたい事がなくなってしまった。
とってもありふれた寓話みたい
やりたい事見つかるのかなぁ・・・
それは今いる端っこと思ってる場所から、さらに前に進むか引き返すかという選択でもある。
正直、意識は高くないので引き返したい。と脳内の300人会議は満場一致だ。
そしたら、次はどこの端を目指すのだろう。
そうだ、私を構成する部品は、大体こんな素材で出来ている。
・好奇心という身勝手な王様
・身体という好奇心の奴隷
・精神という中二で成長を諦めた怠け者