BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

鎰掛温泉

話によると人は誰しもが生まれ育った故郷のものが一番良い相性になるものがあるらしい。話によると日本酒はその影響をすごく受けるらしく、上京してから初めて飲んだ日本酒や一級品な日本酒よりも、育ちの地の日本酒の方が飲みやすいらしいそうだ。

そんな感じで行きつけの温泉がある。
これまで長く川崎市に住んで何かあれば宿河原浴場に通っていた。

kawasaki1010.com

なかなか渋めでバチバチに熱く、真冬でも帰り道は体が暑く、なんなら汗かくくらいのそんな強気の銭湯で、冬の寒い夜にはそこそこの頻度で行ってた。
お湯の出てくるところにはラドン鉱石が敷き詰められており、なんか効果があるらしい。その効果の看板も昭和な文字なので、とっくに出涸らしが出てるとしか思えないが
そこは気分で感じていれば何の問題もない、よくあるプラシーボ銭湯だ。

 

 

大分に戻ってから、習慣的に温泉に浸かるまでは行ってないが、寒い日には温泉が選択肢に出てくることが増えた。
しかし困った事に行きつけという行きつけがまだ定まっていないのだ。
およそ15km内に温泉が30箇所くらいある。とてもじゃないが選びきれない。

 

この感覚は仕事上がりにどこで晩御飯を食べて帰ろうか迷っていたころと似ている。
神田駅あたりで雑に食べるか、東京駅付近でサクッと済ませるか、川崎駅で好きなものを食べるか、それともタイムラインで気になったお店の駅まで行くか、といったあの感じ。逆に大分に戻ったらその選択肢はほぼ消えた。松屋か吉野谷かすき家で言えばすき家しかない。

 

選べるというのは贅沢な悩みだ。欲しい温泉が普通に選べるのだ。

 

温度低めでのんびり入りたいなら長湯温泉
琥珀色の良い香りのモール泉の気分なら高崎山付近の温泉
適当に温かい湯でよければ由布市を走ればよくて
色々な湯を楽しみたいなら市内のスパ銭(実際はスパ泉)に行けばいい。
わざわざ高い料金出して湯布院まで行く必要はない。

 

これが神奈川だと選べない。
選べなくはないが長湯温泉と同等の二本木の湯に行くには、片道270km走った先の木曾福島温泉までいかなきゃならない。

 

そんな中、おぼろげながら浮かんだんです。

 

かいがけ温泉という選択肢

www.kinokonosato.net

 

地元に戻ってから数回行ったが、紛れもなく相性が良い。

  • 41度前後の熱すぎない温度
  • 38度くらいのぬるーい露天風呂
  • 癖のないアルカリ単純泉
  • 源泉かけ流し
  • そしてほかの客が皆無
  • 入湯料350円
  • 自宅から10km程度

色々と圧倒的である。非情なほどに至れり尽くせりだ。

ただずまいは御覧のとおりの田舎の建物で、雰囲気は抜群。

近所の公民館みたいな脱衣室

そして長風呂を許してくれる源泉かけ流しの空間

 

糖尿病だろうが睡眠障害だろうがうつ病だろうが、なんでも効く効能

 

金額が金額なので、毎日は言い過ぎだけど、だけど正直通ってもよい。

 

そういえば地元に戻ってから公衆浴場の入り方が違うことに気づいた。関東だと大体こんな感じ

1,かかり湯を浴びる
2,洗い場で髪と身体を洗う
3,湯につかる
4,かかり湯浴びて上がる


地元だと
1,かかり湯があれば浴びる。なければ湯舟の湯を洗面器ですくい浴びる
2,湯につかる
3,洗い場で髪と身体を洗う
4,湯につかる
5,源泉のかかり湯があれば浴びて上がる。なければそのまま上がる

 

源泉かけ流しなので多分衛生的な部分にそこまで神経質にならないんだと解釈した。
なんなら手前で湯につかることで身体がふやけて、より垢すりがはかどるんじゃないかとすら思う。

それを考えると地元の方が合理的だけど、今やどんな世帯でも浴室がある手前、公衆浴場自体が非合理な感じもしなくもないし、非合理な感じの所で合理的かどうか考えるのもしょーもない考え事かもしれない