BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

陽炎乙女

単車ってのはなかなかいいもんで、生身が剥き出しだからこそ味わえる感覚というのがある。車のように厚いガラス1枚隔てて見る隔絶された空間とは在り方として違う。

8月の盆休みを開けた頃あたりから、定時でバイク乗って帰る途中、橋を歩く高校生くらいの少女とすれ違う事がよくあった。灼熱の炎天下の中でゴシックパンクががっつり決まった姿は中々に強く印象に残るものがあり、定時で帰るとたまに見かける事があった。

基本的に道行く人や車を人や誰かの車として認識していないので、割と珍しい事である。

見た感じからダブルスコアの年齢差である手前、如何なる手段を用いても接触を試みようと思う時点で何等かのハラスメントに該当するので見るくらいしかなかったんだが、世間的に夏休みが終わっても時々すれ違う事があった。

 

時季感的には9月の半ばくらいの彼岸なんて嘘のように暑い日の仕事帰り、洗顔ペーパーで顔と首元を拭いて、日陰の上り坂で80km/hくらいで飛ばすと首がもげそうになるほど涼しいのが快感だった頃くらいまでは時々見かけていた。

それから10月になり11月になり、今となってはコートを貫通するような寒さだ。次第に見かけなくなり、今となっては大体日も沈んでない暑い時間に歩いていること自体が疑わしく思ってくるようになった。

あの暑い夏の日の橋を渡っていたのは陽炎だったのかもしれない。

 

やっぱりあの手のカロリーの高い服、好きだったんだな・・・