BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

感覚売ります

大体おじいちゃんとおばあちゃんは2ペアいるじゃないですか。生まれた時にはすでにいないって事もあるんだけど、交配的にそうじゃないと自分が成り立たない。

 

これは片方のほう。物心ついたころから見えた後ろ姿は、いろんな事に手を出して大体の事はがっつりやりこんでいた。田を潰して畑にしたり、菜園を作ったり、ディップアートをしたり、土産物のキーホルダーはそこらじゅうにあった。夏が来れば畑で取れたスイカをかじり種を畑にまき散らして、秋になれば一家総出で稲刈りをして、冬の寒い朝早くは蒸した米を餅つき機に入れ餅を丸めて鏡餅をつくったり、何かとイベントばかりの素敵な幼少期の主役だった。 主役は私だが。

 

15年ほど別の世界で遊んで帰って来た時には、そんな世界はなくなってて、時間過ぎるってほんと早いなと思った。

 

もう一つのペアのほうの話をしようか。

こっちはそんなにボリュームがあるわけではなかったけど、常に寄り添いあう居心地のよいものであった。場所が福岡だったので15年の間の長旅の合間には必ず寄っていたと思う。そこには青春の原風景があったからかもしれない。

今となっては大分に戻り、3か月に一度くらいは会っているが、相変わらずだし相変わらず衰えていってる感じをわからされるのは、やんわり重たい。祖父と死別して20年になって、一人暮らしだけど時々人がやってくるそうだ。

そうじゃない日は、テレビを友達かのように感情を共にしていると笑いながら言う。テレビが視野を狭窄し感情を摩耗させていく機械だとわかっていて、そのテレビを習慣的に見続けてきた自分の状況というのを含みに持たせている。

 

そうならざるえなかった。というのをなんかわかる気がする

 

人は元々かなり獰猛で感情が触れがちなんだけど、それをごまかすために情報の水をかけ続けるんじゃないかと思うくらいある。 満ち欠ける感情の波に乗るのは本当に大変で、怒るのだってエネルギーがいるし笑うための努力もしんどい。 だから何かでごまかすんだ。 それがテレビだったりタイムラインだったりラジオだったりソシャゲだったりで。

まるで暇が悪であるかのように、何かでごまかしてないと大変なんだろう。
狂ってなければ成し遂げられない事の大体は、暇つぶしによってなかったことになるけど、成し遂げられた事のいくつかは狂った振りでできている。

ミュージシャンは本当に狂っていたら演奏できてないからね。狂っているように見えてすごく冷静に、次に抑えるべき弦と言葉を用意している