BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

zone eater

この曲を聴くと真夏で晴天の、池袋東口の炎天下を歩いてるのを思い出す。

 

学校にきた求人で唯一、東京から来た会社を受けて内定を受けて、13か月で辞めてその日暮らしのような生活を2年ほど嗜んでました。

デフレの時代にも関わらず極貧で、それなのに音ゲーはやめられず家に帰ればネトゲ三昧の日々だった。どれくらいデフレかというとドン・キホーテで白ワイシャツが99円で売られてて、洗ったりクリーニングに出さなくても毎日買って着て捨てる事が可能なくらいぶっ壊れてた。

だけどその時にはもう、そんな事どうでもよかった。
もう仕事は辞めててアルバイトや派遣でやり過ごしながら、やりたい事をやらずに過ごしてきた。やったけど本気じゃなかったという方が正しい。

友達の誘いで池袋西口でシェアハウスをしながら、胡散臭いネット通販とかしていた。

初めて人生の夏休みを手にして人生から目を逸らしてゲーセンで遊び飽きては、あてもなくほっつき歩いてた時を思い出す。

 

東口五差路の交差点からさくらやあたりを歩く私がいた。
炎天下なのに不思議と汗は出てなくて、袖口から覗く真っ白な手が持ってる黒いiPod nanoからこの曲は流れてた。

すれ違う人々にも自分と同じかそれ以上の人生の物語があって、そんな大量の物語が蠢いてるなんて直視もしたくないなと、水族館の魚のように思うようにしたころだ。 近づけても、そもそも人じゃないので関わることも何もないだろうみたいな。なかなか若い。

どこか斜(はす)に構えて、空回りしてるような、そもそもどこの歯車にも触れてないような、独特の浮遊した時間を過ごした最初の夏休みだった。 それから5年くらいはまっとうに働いて、また何度か人生の夏休みを迎えるんだけど、どの夏休みよりもこの夏休みが一番印象に残っている。 本当にモラトリアムだったんだろう。

 

そして今年も少しずつ夏の息が細くなっていくのを感じる時期が来た。

何もしてないようで、何かしてたけど、心が肥えててそんなに覚えてない。

外の気温もだろうが、そもそも暑さに対する耐性がなくなってきた。

あと仮に50年生きたとして、50回夏が来るとして、50回分楽しめるかというといいとこ20回分くらいじゃないかと、怪しくなってきたってネタバレを隠し続けてきた、知り合いや友人に乾杯したい。