BlackIceCoffeePhenomenon

溶け出す氷によって味が薄くなると併せ、味覚が苦味に慣れていくことで、加速度的に味覚への刺激が減衰する現象に関するブログです。

記憶袋のガチャポン

8月14日と8月15日は本家に帰り盆を過ごしました。
そこで思ったことをつらつらと。

 

関東にいる頃から帰省で毎年帰ってきて、父母だけじゃなく祖父母にも挨拶をしにいく。
祖父母あたりになると残りの寿命が仮に20年だったとしたら、毎年帰省で1日顔を合わせたとして、余命の中で3週間も時間がない事になる。
20年の余命の中でのたった3週間分しか会えない。

それも都落ちの理由になって、それ以外にもさまざまな理由が積み重なり帰ってきた。
そして1年に1日じゃなく、2週間に1日のペースで会えば1年分は会えることになる。
過ごす時間が1か月弱と1年なら断然後者の方がいい。亀裂が生まれない限り自分も祖父母も。

・・・とは言え、65歳になると約半分の人は認知症を患うと言われている。
目の前の現実でなく、過去に囚われてしまうもので、祖父母も例外なくその兆候がある。
過去に起きた出来事を何度も話してくるのだ。
口の悪い言い方をすれば、リピート再生機能付きガチャポンである。

認知症はその時その時の一番印象に残ったものに囚われその話をする。
でもそれはガチャのレアリティで言えば普通のもので、相槌や振り方で時々レアやスーパーレアを引くフラグを手にすることができる。
そのレアな話というのは、家族・ひいては一族を紐解く話であったり、誰かの生まれる前の記憶や、生まれて物覚えする前の話だったりする。


知らない事、それも自分の生い立ちに関する事だと、とても興味深いと思うのは自分が蒐集できてない範囲だから。だって産湯の記憶はもてないからね。

そして耳を傾けてはどうすればレアな話が聞けるか相槌を考える。
大抵10連ガチャで言えばノーマルばかりだけど、まれにみるレアを拾って覚えていたい。


その人が生きてる間に、その人の記憶の中にあるものをなるべく受け継げるために。