地元に戻って半年、仕事を始めて1か月だ。
朝の寒さがなかなか堪えるようになってきた。
引っ越しや家具の準備がある程度落ち着き次は車とかといった、田舎人スターターパックはまだ揃わない。
それでも普段の会話の中でよく聞かれるものと言われるものがある
「こっちの方に戻ってきてどうだった?」
「あの人、戻ってきてすごく喜んでたよ」
どっちもなかなか答えの出しづらいトークテーマなので、どうしたもんかと思う所がある。
「こっちの方に戻ってきてどうだった?」
この答えははっきりあるが、それは求められてる答えとは少し違う。
戻ってきて思うのは「懐かしい感じと、自然を前にした時に前より感動するようになった」だ。
十何年か前のあの頃、選ばなかった道に戻ったのだから、そこには懐かしさがある。 流行りものに飛びつきやすく、やったらやりっぱなしの放置癖の強い県民性が至る所にあって、苔むしたり朽ちた看板はそこら中にある。 川崎なら苔がどうこうなる前に別の看板になるか、広告募集がいい所だろう。
昔からある変わらないものが、どこか懐かしい。
夕方には夕空に燦然と輝く一番星を見ながら、流れる雲をぼんやり見ながら帰る。
あの場所に星空はない。ない事はないがほとんどない。なんでもあるのに。
テレビが紅葉の特集に飽きて流さなくなった後も、職場の窓から見える山には赤い樹が目に留まり、たった15分休憩なんて机に突っ伏してればいいのに、漫ろにさせる。
夕空がきれいで写真を撮ったりするが、どうも原住民の人としては、路肩に止めてまで撮るようなものじゃないらしい。海外旅行行って日本のトイレのありがたみを知るようなもんだよって言っておくか。
選ばなかった道の途中で、何が得られたのかを考えるのは野暮だろう。
ただ私が選んだ道は想像に任せるとしよう
「あの人、戻ってきてすごく喜んでたよ」
目の前でデレてくれないのがポイントなのか、ただのお世辞なのか知らないが、よく言われる。言われるととても嬉しいので、積極的に使ってくれ。
これまでは毎年1度か2年に1度だったけど、これからは気が向けば毎週でも会えるぞ。
小学生の頃みたいにゲームしに遊びに行くようなほど身軽じゃなくなって、何かしら仕事だったり世間の用事だったりで、結局半年くらい会わないとかザラなんだろうが。
夜から遊びに行って徹夜でゲームして昼に帰ったり、3-4日くらい泊まりっぱなしで遊んだりするような、青春の残滓をずっと待ってるよ
まぁ、出戻りと呼ばれましたが、案外日々はそんなものです。